渋沢栄一「論語と算盤」の書物にこんな言葉があります。
「元来人情の通弊(つうへい)として、とかくに功を急ぎ対局を忘れて、
勢い事物に拘泥(こうでい)し、僅(わず)かな成功に満足すると思えば、
さほどでもない失敗に落胆する者が多い」
この言葉は、人間関係の中でよくある悪しき状況を指摘しています。
要は、人々がしばしば巧名を急ぎ、眼の前の利益や成功に執着しすぎて、
その過程で他人や対局を忘れがちであると述べています。
そして、わずかな成功に満足したり、その成功を大きく見せたりする一方で、
失敗に対しては意外と大きな落胆を感じる傾向があることを指摘しています。
要するに、人々が短期的な利益や成功に焦点を合わせ、その過程で人間関係や
より大局的な視点を忘れがちであること、そしてそのような考え方が失敗に対する
過度の落胆や挫折感を生むことを指摘しています。
目先のことだけではなく、中長期的なこと、本質的なことにチャレンジすることが
重要だと教えてくれている言葉です。
長期的目線で目的にブレずに行動することこそが長期繁栄につながります。